諸行無常入門 vol.3

〇△□の意味

 

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去年、江戸時代の仏教のお坊さんの仙厓義梵(せんがい ぎぼん)の禅画展を見に行った。昭和初期には、仙厓ブームが起こるほどで昨今も再び人気が出ているらしい。なぜ人気があるかといえば、「ほっこり」と可愛らしい筆絵に「ひょいっ」と禅の心を諭すような画賛(歌や格言のようなもの)が添えてあるところ。

分かりやすいものから難解なものまで多数のあるが、特に難しいのが「〇△□図」という作画がある。筆で〇△□と描いてあるのみのシンプルな作画だ。この作画の解釈については、宇宙を表しているとか、神道密教仏教を表しているとか、自然を表しているとか、諸説あるそうだ。いづれにしてもこの世を体系的に表したものだろう。

特に注目するべきは、〇△□が重なりあっていることである。『仙厓の○△□』著の中山喜一朗氏によれば、「結局はみんな一緒だ」ということを意味しいるという。○△□のそれぞれが具体的に何なのかはわからないが、それは見る側を考えさせ、心に自分なりの宇宙を発見させてくれる。

下記の絵は筆者が描いた宇宙です。絵とちょっとした文章を書くきっかけになったのは、紛れもなく仙厓との出会いである。オマージュか、それともパクりかい。ご愛嬌。みんな一緒だからね。

 

 

↓参考
仙厓義梵《○△□》「わかる」がわかるか──「中山喜一朗」
http://artscape.jp/study/art-achive/10127048_1982.html